ヘルニアとは、「体内の臓器などが、本来あるべき部位から脱出した状態」を指します。椎間板ヘルニアとは、腰椎から椎間板が飛び出すことによって、神経を圧迫し、激痛が走る疾患のことを言います。
症状の特徴としては、以下の2点が挙げられます。
●片側の腰から足先にかけてしびれや痛みがある(重症の場合は両側の足に症状が出ることも)
●お尻から足にかけ、猛烈な激痛がある
その他のチェックポイントとして、
●せきやくしゃみをすると、激痛が走る
●感覚障害・冷感・筋力の低下が見られる
●排尿障害を伴う
などが見られることもあるでしょう。
腰椎は通常、体の前面に向かって半径約24〜27cm湾曲しています。ところが、この前への湾曲が減少すると、椎間板の前方部分が潰され、椎間板全体が後方へ押し出される形となります。すると、押し出された椎間板が神経根を圧迫し、激痛やしびれなどの症状が発生するのです
悪い姿勢でバランスを欠いた動作を繰り返すと、背骨や骨盤がズレやすくなります。骨盤がズレると、それを支えようと背骨(腰椎)がゆがみ、そのゆがみがさらに骨盤の歪みに拍車をかける・・・というゆがみの悪循環が起こります。
このような体のゆがみがあると、重いものを持ち上げたり、座りっぱなしだったりといった腰に負担をかける動作が引き金となって、椎間板ヘルニアを引き起こしてしまう危険があるのです。
体のゆがみをもたらす原因は、猫背の他に、O脚・外反母趾などもあります。心当たりのある方は、その部分を矯正していくようにすると、椎間板ヘルニアの予防につながります。
体のゆがみが怖いのは、内臓の位置もズレることで、消化器系の病気も引き起こす可能性があること。早めのケアを心がけてください。
さらに、椎間板ヘルニアの原因には、加齢による骨の老化も挙げられます。すでに述べたとおり、椎間板は20歳を過ぎた頃から老化が始まり、だんだんと弾力性に欠けていきます。そうなると、日常のちょっとした動作による衝撃や圧迫に腰椎が耐えられず、中から髄核が突出しやすくなります。これが骨のきしみを招き、痛みとなって腰に伝わるのです。
偏食によるカルシウム不足に思い当たる方、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の診断を受けている方は発症リスクが高いので、食生活を見直し、日常の動作で腰に負担をかけないようにすると良いでしょう。